縄文海洋民族幻想:地之巻

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 氷河期を終え、現代の気候に近い縄文中期に向かうにつれ人口は増加しますが、温暖化は止まらず海水面も高位で停滞し、後期にいたる頃には人口が半減したそうです。

 その後は寒冷化へと逆に転じて海水面は下がり続け、さらに人口は半減するのです。


~ 序 章 ~
無言沈黙の危機意識
 同時期で産地の特定できる黒曜石等の広域分布により、旧石器時代には各地域間同士の流通網が既にあるとします。

 こうした交流の同痕跡が多々あるならば、続く新石器時代の縄文人に北方や南方系などと区別せず、単一に縄文系と表現します。

 その後の縄文人は異なる部族とのゆるやかな混血があるにしても、異民族のそれとは明らかに違う、いわゆる異形であったとして話を進めます。

 ただし 縄文海洋民族 は、本土・山間での縄文人とは区別しておきます。むしろ彼等自身がそのテリトリーの違いを強く意識 していたはずだ、ともします。

 過度の自然環境変化に伴い、最盛期での3分の1以下にも人口が激減していく縄文の晩期、部族単位の消滅が幾つもあろう更なる危機感、目の前にある死。

 この間に民族独自の遺伝子は部分変化を伴う分裂を繰り返し、数千年もの単位でのふるい分け後には現環境にも適合していくのであろう。

 知識欲に伴い好奇心や冒険心に富み地形の把握や気候変化の予測は予知能力並みで五感はいわずもがな薬草毒草の知識や記憶力及び想像力判断力も発達し器用で寡黙だが他民族の言語も操り自然の営みさえ声として捉え強い意志や信念を持ちながら高ぶらずいからず相手に気を遣わせぬ沈黙譲渡の接触を避ける隠れた善、、、

 強靭で優しく優れ目立たず「ひい英」でる男性を知ることになる。一夫多妻など必然の如く、ここ「いろ」ごとは英雄を好む。

 過酷な環境下で個の主張は生存さえ危うく、虚飾、偽善などの発想すら否定される絶滅の危機。
 
 時は満ち、列島全域を行き来する海洋民族の中でもひときわ信望の厚い彼は、これまでの蓄積情報を活かし、単一部族の所帯よりも他地域と「ま交、雑、混」じえた所帯の方が障害児も少なく生存率が高いのではないかと、判断を下した。
地之巻
単一融合(海洋系列)
「縄文の同族婚を禁ずる」とします。
常に男女が相反する血筋で結ぶことで融合すると想定。

■「海洋」男性から見る融合型
下記に「兄弟の三形体」を区別。
(中間血筋は次男で統一)

= 隠岐の三兄弟 =
【長男】… 海洋(孤島)の大陸系資質の長男は融合「縄文系」娘と結ぶ
【末弟】… 海洋(孤島)の縄文系資質の末弟は融合「大陸系」娘と結ぶ
【次男】… 山間 ※中間資質の次男は本土での「生粋の縄文娘」と結ぶ

本土「山間部」での融合 ※
 次男は縄文系や大陸系ではなく、中間的に融和した資質形体で誕生しました。まさしく、この世に存在しない特殊形体のため、既存の代表とはなりえません。

「五十音」の成立期はまだですが、海洋から山間へ抜け出す次男筋を、地の形成の元「か」として、以前から交流があるとさせた本土「生粋の縄文」娘と結び、下記に展開します。

 遺伝子の法則により、中間的な融合形体からも 相反する両遺伝子 の資質が同じ構成比率で生じます。
 
 結果「海洋民族」群とは 代表世代が一世代ずれて各血筋が逆転した状態での兄弟および姉妹の三形体を区別しておきます。
代表世代がずれた単一融合
 海洋「た」代表系列から抜け出す次男「か」と、本土で新規に融合させいく山間「あ」と想定する女性とが結び 「かあ」、又は濁音の「が」とします。

 この濁音は、海洋から山間とを繋ぐ二音の作用を一音に短縮したもので、以降も同系列「た」から見る「たあ」も同様に濁音の「だ」とします。

■「山間」女性から見る融合型
 これまでにない中間的資質で誕生した男性「か」と、既に交流のある本土の代表血筋からの女性「あ」との融合で次世代を区別。

≪長女≫ 縄文系資質を受け継ぐ
≪次女≫ 二つの資質の融和形体
≪末娘≫ 大陸系資質を受け継ぐ

※兄弟の場合も同様。

 海洋から中間血筋の女性も山間へ移動して縄文男性と結ぶのですが、本土は母国とするゆえ「おもて面、表」に代表男性とせず、海洋の組織とは一世代ずれた「うら浦、裏」の代表とします。

 出雲に本拠を構えて新規に誕生する山間中間血筋の所帯は移動せず、融合の拠点として特殊な扱いを致します。
「か」に係わる一つの血族
 人口減を回避するために縄文の同族婚を禁止しました。

 一万年以上もの安定した流通性のある列島の状態は、土器の発展途上で形容変化の区分があるにしても、既に一つの統一文化圏だと判断しておきます。

「海洋民族」による領土を主張しない常に寄り添う山間各地では、交易と言うよりも譲渡、各所帯を養うべき関係の下地があったものとします。

 縄文晩期の壊滅的な人口減及び未婚以下はさらに少なく、前編で説明した一夫多妻である融合制度に基づき、四国、九州など、他の島々および列島内全域でも、競うかのように「海洋と山間」両系列の融合所帯が両立(比例)して増えていきます。

 常の海洋系列「か」は、代々本土での生粋の縄文人「あ」との融合としました。本土の融合時点へ遡れば、融合の基準内全血筋が次男の中間血筋「か」に辿り着く事になります。

 本土との融合、即ち山間「が」からの補佐を受けながら、苦難を共に一つの血族を列島全域へと築き上げましたが、同時に対象者である純粋な縄文血筋「あ」が途絶えます。

 かくして融合すべき純粋な縄文人はほぼついえ、全所帯の血筋が「か」を引き継ぎ、あたかも取ってかわる民族として現在では我々自身を認識する事になります。

 新規に海洋から「か」として来る中間血筋の各男女は、やむなく同世代ではない一世代上にあたる山間部で「あ」と組織していた「かあ」即ち「が」と直接結び、この融合の所帯が「かが」。

 地に定着する起因「り」では「が」を「がり許」として「ゆる許」す事になり、これまで除けていた中間的血筋の所帯を地の「もと基、下、許」とします。
 ※
「かあ(処在)り」⇒「がり許」
= 要点 =
・融合血筋は世代ごとに反転するため、二世代一組で一代とします。
・夫婦子供ともども各血筋ごとに別の所帯を構え、夫々男性は通い婚。
・一夫多妻:一組での子ら三人以上誕生している所帯を対象。

基本的には「暗算」
常に男女相反する血筋で結び、次に異なる血筋の反転状況を把握でき「そら」で言える方はこのままお進み下さい。

数学的古代、次章難関、突入佳境
理解ができなければ、反転
うみのまきからおよみください。
では縄文右脳に挑戦。
融合人同士の「複合融合」
 縄文同族婚を禁じたがゆえに純粋な縄文の血筋「あ」が途絶え、新規には山間の組織である「かあ」即ち「が」所帯が継続できません。

 そこで本土の縄文血筋を直接に引き継いできた次男所帯「が」との融合を、引き続き山間部代表の末弟、次世代では海洋系代表の兄も複合的に試みます。

 北九州と出雲では男性代表世代が上下(縦)に一世代ずれた状態なので同世代の各男女の血筋は互いに反転しています。よりて

 海洋の「つ津」が山間に「つづ続」く「つづ綴」りにも適用した、海洋からみる「す州」が山間の「ず」れた同世代で対応する男女がそのまま適合します。

 なお、海洋から続く出雲「いづも」を、ここでは山間における出雲「いずも」とも表現しておきます。

「みづ水」と「みず水」も然り
「みづか自ら」「みずか自ら」や
「しづく雫」「しずく雫」も同様。

 各血筋を示す「五十音」成立はまだですが、海洋系と山間組織とをつなぐ北九州と対比する「出雲」は「濁音」で下記に区別します。
「ひ」「た」二世代で一代
 海洋系  山間系  融合融合
 北九州 出雲「が」 ずれて対応
 ひ び ひ×だ ※
 た だ た×び

 まず、山間代表「だ」系列から海洋の「ひ」が結ぶ「ひだ」。※

 だが、生まれてくる子は本土では山間「び」ですが、その血筋のままを引き継ぐことはできません。

 なぜなら、海洋「ひ」から誕生するのは海洋代表世代「た」系列に該当するため、海洋にそのまま取り込まれる事になります。

 また、海洋系列「ひ」からは一夫多妻ゆえの正規代表所帯「た」が同時期に存在しています。

 元々の海洋代表「た」系列が受けて二世代目、同様に山間と融合しますが生まれる「ひ」は山間代表「だ」系列として逆に取り込まれます。

 結果、海洋「ひこ」と山間「ひこ」の代表血筋を互いにずれて含み持ち、各その間の世代にあるがため、相手方に取り込まれて両組織のテリトリーも一旦入れ替わります。

≫ 地之巻:後編につづく
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